第57話
「大体、喘息にも突然なったからお医者様がビックリしてたでしょう?」
「ま、まぁ、そうだな。」
ミルの力はこの世の理自体を崩しかねないほど大きなもの。
それこそここにない食べ物を召喚させて食べていたりしていることすら、魔法が存在しないこの世界では普通のことじゃない。
それに、ミルの存在自体も。ものすごくグロい登場の仕方だったけど、この世に存在するはずのない人間が成長することなく突然この姿で現れた。
もちろんこの体には子供だった時もなく、大人になることもないんだ。
そんな異質の存在のミルを、ビターを始め一番傍にいるバイセンでさえあっさりと受け入れている事実。
こんなの、魔法という言葉で片付けるしかないでしょう?
そんな人が突然私に授けた重度の喘息という病気。この世でもあの世界でも珍しくはない病気だけれど、突然なる、というものでもない。
私は医者じゃないから詳しくは分からないけど、昨日平気だった人が次の日には突然発作が起きるほどのものを発症する、なんて。さすがに城のお医者様に驚かれてしまった。
でもこんなの、なってしまったもんはしょうがないでしょ、という強引さでなんとか押し通したけど。
それが、場所を移した途端治りました、なんてバレたらさすがに嘘だと見破られてしまいかねない。
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