第43話
「なんでシュガーって、后妃候補じゃないんだろう?」
家柄も申し分なく、后候補の先生になるほどだったんだから知識だってこの国随一。彼女は容姿も抜群で、貴族としての所作も完璧。陛下とは幼馴染みで、普通の幼馴染みよりも親密なほど。
そんな彼女が后妃候補にならないなんて、考えてみればおかしい。
ミルを見れば、ゲ!
「ねぇミル。すっごく、行儀悪いと思わない?」
「んあ?」
どこから出したのか、ミルは棒アイスを舐めながらソファーに仰向けで寝転んでいる。アイスを上に掲げて、舌を出してベロベロ。
「おあ、垂れた。」
「きたな。」
溶けたアイスがミルの顔に。それを服で拭くもんだから服もベトベト。
……神にしてはえらくだらしないな、おい。
「ねぇ。」
「んん?シュガーのことか?」
「うん。」
残りのアイスを頬張ったミルは、くしゃりと顔を歪めて今度は頭を叩き出した。馬鹿だよね。そりゃアイスをいっぺんに食べたらそうなるでしょ。
しばらく悶えていたけど、ミルは深くため息を吐いてソファーに座り直す。今度は大股開きで。
「シュガーの家は確か、代々城に勤める補佐官の家系だ。この時代は確か、シュガーの父親がビターの補佐を勤めているな?」
「まぁ。」
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