第42話

私とビターは年の差10。だとしても男性は純潔でなくともいいのに女性にはそれを求めるなんて。私の前世では″炎上″確実な差別具合だ。




「ふふ、お前のその切り替え能力、非凡だな。」


「……仮にも私は純粋なお姫様小町なんだから。そこは演じなきゃまずいでしょ。」





小町は本当に周りから好かれるような良い子だった。自分で言うのもなんだけど、汚れを知らないっていうのはある意味最強だと思う。




世の中のすべてが輝いて見えて、勉強すらも素敵なことだと思える。



世の中のことを知れば知るほど、自分の身に影響を与えるほどそれは、純粋な知識となって自分を強くしていく。




それはそのまま、自分へ、いや、愛するあの人の糧となって、私たちは共に前を向いて歩いていける。





純粋な小町は一心不乱に学び、彼を支え、愛した。




その中に打算や悪意は皆無。その純粋さは今思えば大きな危険も孕んでいたのだと分かる。






結局は、ずる賢さや人間の暗い部分も必要だということ。勉強と同じ。自分が悪人になるとかそういうのではなく、知ることで人からの悪意を回避したり、それを予防したりできるのだから。




だけどあの頃の小町には、それを学ぶ環境はなくかつ、彼女自身、それを必要とは思っていなかった。




それがあの結果。学ばなかった彼女が悪いのか、それとも……。

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