第38話

「だから私、考えたのよ。うちの家が救われて、私も死刑になるよりはマシにここから解放される方法。」


「うむ、やはりそうだよな。」


「ん?ミルもそう思った?」


「うむ。」





おや、意外とやるでない。バカだと思ってたわ。ごめんね?



「私がまだマシな幸せを掴むには……。」



この方法が最善。そう思うの。




「ビターとシュガーをくっつける!」

「今度こそビターと幸せを築くのだ!」




…………は?




「なに言ってんの。」


「お前こそ。なにを言っておるのだ!」





なに。なんでそんな睨まれんの?私の計画、最善過ぎてびっくりするくらいなんですけど。




この世界にまた転生されて頭捻りまくってもう考えなんて浮かばないって匙投げそうになった私に降臨したナイスアイディアなんですけど!




「物語のヒロインが悪役と男をくっつけてどうする!」


「別にいいじゃん。」


「よくなかろう!」




興奮するミルの鼻息が不快で、その辺にある紙を丸めて突っ込んでやりたいと思った。




「なにが問題なの?私はもう、あの男を愛せないのに。」


「……小町。」




馬鹿馬鹿しい話でしょ?運命に決められたこの心は、彼を前にすると自然と高鳴ってしまうけど、それはただの運命に決められた設定に過ぎない。




「私と彼は運命の相手かもしれないけど、その運命が間違ってるなら、私は彼を選ばない権利はあると思う。」

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