第31話
「そうそう、これから私、どうしていこうかな、って思って。」
「なにをだ?」
リンゴ味の飴。結構いける。形はなんだろ、鞄?皮の鞄を再現してる飴ってまたマニアックな。
やっぱり、錬成した馬鹿が馬鹿だからかな。
「これから5年は小町って平和なのよね。どこから問題に向き合っていくべきか分からないのよ。」
「ふむ。」
そうなのだ。私が13歳になったらこの国で成人と認定される。それから本格的に花嫁修行として16歳まで、この国の王室のことを学ぶことになる。
3年で何が培われるのだと思われるかもしれないけれど、この3年で学ぶのは皇室の中でも王や王妃にしか知らされないような、本当に大事なことばかり。
ここへ連れて来られて成人するまでの間は、それを学ぶに足るすべての知識を植え付けられるというわけ。
前世の言葉で言うと英才教育?ブラック嫁ぎ場所?とにかく、レディーとしての品行だけでなく、あらゆる学問にも精通した者でないと、さらに上の帝王学は学ぶことさえ許されない。
今の私は、その見習い期間にいるようなもの。もちろん唯一の王妃候補であるとはいえ、地位的には古くから皇室を支えている貴族よりも下だ。
もちろん、実家の地位も、ある程度影響するけれど。
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