運命

策略

第30話

「……で?」


「んー?」





ある日の昼下がり。ミルはソファーで寝転びながら私に返事をする。




「なにからしようか。」


「知らん。」




大きな飴をなめながら、勉強机に向かう私に対してこの酷い態度。協力するって言ったくせにここ数日このソファーから動いた形跡がないんですけど!



「飴も飽きたな。」


「うわ、もったいない。」





何本も魔法で出しては舐め続けていたからか、飽きられた飴はゴミ箱へポイ。食べ物を粗末にしたのが神様の場合はどんなバチが当たるんでしょうか?




「だめだよ、こんなところに捨てちゃ。」



「お前はそれを拾ってどうするつもりなのだ?」



「んあ?」


「うわ!汚ない!」





すごく嫌そうに叫んでいるけど、ほぼ食べられてない飴を捨てるのは私の気持ち的に無理だ。




「よくそんなのが食べられるな。」


「3秒ルールよ。」





ゴミ箱とはいえ、バイセンが毎日綺麗にしてくれているもの。しかも捨てるのは紙くらいで別に平気だし。




「それより私はあんたの唾液の方がちょっと嫌だったわ。」



「なにを!神の唾液をゴミ箱よりも下と愚弄する気か!」



「神の唾液ってなんか嫌な響き。」




そりゃ、食べかけの飴を食べるのは卑しい気がしたけどさ、私には食べ物を粗末にすることの方がいやだ。

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