第28話
ビシリと突っ込みを入れたところでふと思った。私ってこんなに、誰かに心を許して話したことってあったかな?
「ねぇ、ミル。」
「ん?」
ミルは、この世界の神様だけど、今のところなんの役にも立っていない。トンでもスキルもくれないし、魔法を使えるようにもさせてくれない。色々入る特殊なインベントリもくれないし、すっごいパワーを持った人間にもしてくれそうにない。
つまり、本人が言っているチートなんて存在しないわけで。だけど私はこれから10年間、また温度小町として生きていかなくちゃいけないんだ。
「決めたわ。チートってやつ。」
「ほう、なんの能力がほしいのだ?」
なにもかもが、昔のまんま。ただ1人の后候補の私も、ビター様も、バイセンも、他のみんなも。きっと両親や友人たちだって。そして、彼女だって、彼だって。
多分この世界は、私が死んでしまったあの世界、そのまま。
「信頼させてほしい。」
「ん?」
そうすると私は10年後、焼き殺されることになる。
「誰よりも私が、ミルを信頼できるように、そして、あんただけは絶対に私を裏切らないって、信じさせてほしい。」
チートという反則があるのなら、このミルの存在事態がそうなんだと思う。
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