第27話

「なぜ顔がさらに不細工になっている?」


「お前いつか殺す。」





ミルの憎まれ口も、余裕のない時は殺意を抱くものなのね。ひとつ学んだわ。



でも結局、このカラクリを知るには、ミルに聞くしかないわけで。もう目の前で起こっていることがなにがなんだか。




「なんでバイセンがミルのことを知ってる風なわけ?」


「ん?それは我が神だからだ。」


「答えになってないんですけど。」


「お前、そんなに馬鹿だったのか。」


「……お前がな。」




神様ってみんなこうなんだろうか。説明足らずでも相手が理解できていると思い込み、訳の分からない説明ですべてを理解させている気でいる。




傲慢というより、馬鹿に近い気がするんだけど。




「我が、我であるから、周りは我を理解するのだ。」


「意味不明。」





だけどこの馬鹿みたいな説明で少し理解できちゃった自分の賢さがむかつく。




「結局のところ、なんか不思議な力でミルはミルとして認識されてるってことね?」



「分かっているなら説明などさせるな。うっとうしい。」


「私はあんたがうっとうしいわ。」




ムッと、口を真一文字に結んだミル。なにか言いたげだけどそれを言うつもりはないらしい。




「まぁ、その辺はもう一々驚かないわ。」



「いや、それでは我のすごさが分からん。もっと驚け。」


「なんでやねん。」

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