第19話
それにしても、ズル?
「ズルって?」
「ああ。だから私がお前の側に付いて、お前が望むままチートを使ってやろう。そうしたらさすがの運命も我が偉大な力で打破できるだろう。」
ふんぞり返ってるところ悪いけど、その偉大な力で追加した運命という設定を、チートというズルで歪めてやろう、そういうこと?
「そう、言われてもねぇ。」
「む、お前は私の力が信じられないのか?」
「そういう話じゃなくて。」
頭が追い付かない、というのが本当のところ。だって私の身に起きていることはあまりにも人智を越えていて、なおかつ非常識過ぎるのだから。
「む。」
ミルに世を向けて寝転がってみると、ここにいる小町は前々世の小町じゃないことが分かる。
前々世の私は、昼間っからベッドに横たわることなんてなかった。例え体調が悪かったとしてもそうだ。
毎日を国王、ビターのために生き、毎日を国のために生きた。そこについていたおまけに過ぎない恋に裏切られたとしてもダメージは小さいはずなのに、彼女は、身を切られるほどの大きな傷を負った。
なるほど、ミルの運命という設定も間違いじゃない。
私をここに来させるために腐心した両親、私を世話するメイドたち、彼女とビター。
すべて運命によって私と関わった人たちは、小町にとってとても重要な人たちになった。
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