なんか、嫌な予感しかしないんだけど。

「……つまりは、チートだ。」

「は？」

思わず低い声が出た。そんな私に驚いたように目を見開いたミルは、怪訝な表情を浮かべる。

「知らぬのか。前世では確かこういうのをチートと言うだろう？」

「なに、チートって。」

「はぁ？」

ものすごく驚いてるけど、いやほんとに、分かんないから。こいつって本当に神なんだろうか？新手の詐欺じゃない？

知識は片寄ってる。偉そう。あ、神なんだから偉そうなのは普通なのかな？それに、なんだか悪趣味だし。

メイド姿の可愛い女の子は見た目はいいかもしれないけど、私から言わせればこれが最上の選択とは思えない。

前世的な見解で言っても始めは物珍しいけど今世のメイドですら着ないようなヒラヒラの服を来たこいつを連れて歩くのは、果てしなく恥ずかしいからごめん被りたい。

「ゲーマー用語で、チートとはズルのことを言うだろう。知らないのか？」

「どの常識よそれ。」

そもそも前世の私はゲーマーでもなんでもないし、スマホゲームくらいはしてたけどそれ系の動画も見ることなく、チートなんて言葉を知らないような生活をしていた。

こいつ、この世界の神のくせに友人の世界でゲーマーやってたってこと？

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