第17話

その残酷さは悪魔をも凌ぎ、神という名の元にすべての行為は帳消しにされる。




これが私が最も恨んだ神という存在。




「私にも少なからず罪悪感はあってな。蹴落とされたお前を特別に友人の神の世界に転生させ、人生が報われるようにしようとしたのだが、それを阻んだのは」


「……運命?」


「っっ。ああ、そうだな。」




ミルが言いたかったのはこういうことだろう。



ミルが課した運命という課題は、例え別の世界に転生されたとしても私の存在に深く刻まれていた。




だから例え世界が変わったとしても運命は私へとビターを導き、あの子を導き、まるでそれは呪いのように私の存在を脅かし続ける。




「それで?」




聞くのも辛いけれど、はっきりと聞かないとダメな気がした。




「運命に従うなら、お前はこの世界でも火炙りにされるだろう。」




聞いた言葉は私のなかにゆっくりと染み込んで、そして消えていく。




私の運命ってなんなんだろうか。神のただの暇潰しで、死ぬよりも辛いことを私は体験しなければならない。しかも、転生することでそれは永遠に繰り返し起こる。




こんなことって、ない。私がいったい、何をしたというの?





「だが私は、今世でお前を運命から救いたいと思うのだ。」


「え?」




見上げれば、ふんぞり返り、笑う神が私を見つめていた。

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