第17話
その残酷さは悪魔をも凌ぎ、神という名の元にすべての行為は帳消しにされる。
これが私が最も恨んだ神という存在。
「私にも少なからず罪悪感はあってな。蹴落とされたお前を特別に友人の神の世界に転生させ、人生が報われるようにしようとしたのだが、それを阻んだのは」
「……運命?」
「っっ。ああ、そうだな。」
ミルが言いたかったのはこういうことだろう。
ミルが課した運命という課題は、例え別の世界に転生されたとしても私の存在に深く刻まれていた。
だから例え世界が変わったとしても運命は私へとビターを導き、あの子を導き、まるでそれは呪いのように私の存在を脅かし続ける。
「それで?」
聞くのも辛いけれど、はっきりと聞かないとダメな気がした。
「運命に従うなら、お前はこの世界でも火炙りにされるだろう。」
聞いた言葉は私のなかにゆっくりと染み込んで、そして消えていく。
私の運命ってなんなんだろうか。神のただの暇潰しで、死ぬよりも辛いことを私は体験しなければならない。しかも、転生することでそれは永遠に繰り返し起こる。
こんなことって、ない。私がいったい、何をしたというの?
「だが私は、今世でお前を運命から救いたいと思うのだ。」
「え?」
見上げれば、ふんぞり返り、笑う神が私を見つめていた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます