第15話
「それならなぜひれ伏さぬ。」
「は?」
思わず起き上がってメイドを見れば、両腰に手を当てて怒っている様子。
「なんで。」
「なんでって。我はお前を作ったえらーい神ぞ。」
「私を作ったのは両親ですが。」
「そういう下ネタはだな。」
「へー、苦手なんだ。」
「いや、大好物だ。」
一瞬、ものすごい静寂が漂って、私とメイドはひたすらに見つめ合った。
なにこの神、ほんとに神?下ネタ大好物とか言っちゃうのが神?この世界を作った神?
「嘘だろ。そりゃこんなクソな世界なわけだわ。」
「お前、はしたない言葉を使うな!」
ビシリと指差されたとしても、撤回する気はなかった。この世界がクソだっていうのは、本心なんだから当たり前。
この言葉使いは前世で覚えた。この世界には存在しない言葉であり、前々世の私じゃ一生使うことのなかった言葉。
クソまみれの私の人生の中で、唯一自由である証だ。
「うっさいよ神。」
「お前、馴れ馴れしいな。」
ドン引きだぞ。なんて、少しだけ古い言葉を使うあたり、この神も前世の世界での言葉を気に入っているのだと思う。
「それで?神がどうしたの?」
「ん?ああ。」
突然、神妙な顔つきになったメイドが、ベッドの端に腰かける。枕に身を預けた私は、寝転がったまま横を向いて、メイドを見た。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます