第13話

もごもごもごもご、何を言いたいのか全く分からない。



「この世界の神だからってなによ。私、頭の中であんたを10回は殺してるんですけど。」


「お前、神殺しはこの世のどの罪よりも重いぞ。」


「殺してないのに罪が成立するんですかー。」


「じ、実行しているいないは関係ないのだ!神を殺そうと企てた時点でお前は万死に値する!」


「へぇ?」



頬を赤らめ、私を指差して必死にキャンキャン鳴いているこのメイドがあの神?



あんな死に方をした私に、新しい世界での生活を与えてくれた。それまでは感謝するけれど、前世での私の出会い、そして今世での今の状況は決して納得できるものじゃない。




私になんの恨みがあるわけ?そう何度も考えた。



私はあの時、体を火に焼かれながらこの世のすべてを呪った。そう、神でさえもそして、愛するあの人も。




純粋だった私は燃え尽き、悪魔の姿が顔を出した。もう、純粋ではいられない。




そう思って前世では、生活していた。そこで学んだのは、私は純粋なんかじゃなく、無知だったということ。




それを教えてくれたあの世界。それ以上に学ばせてくれたあの世界。気に入っていたのに。




どうやら私はまた、だめだったらしい。




「聞いておるのか?」



そして今度は、神?なんなのよ、もう。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る