第12話

「……えーと、関係者の方ですか?」


「うむ、リアクションがちと軽くないか?」


「だって、ちょっと今、頭が混乱してて。」


「お前は昔からバカだったからな。」


「ちょっとこのメイド、失礼なんですけど。」



前々世の私は、名門貴族、温度家の一人娘。それはそれは大切に扱われ、かつ厳しく教育された。それも、生まれながらに国王の妃候補だったから。



いずれ国の母となるため、英才教育を受けて育ってきた。そんな温度小町は根が純粋すぎるが故にバカな死に方をしたけれど、決してバカではない。



そして前世の私も、温度小町としての記憶があるままあの世界で成熟した。勤勉だったし、ある程度の他の知識ももっていた。



そしてうぬぼれではなく今、前々世と前世の記憶を持って再びこの世界に転生した私が、バカ、なんてことはあり得ない。




睨み付ければ、メイドが馬鹿にしたように口角を上げる。ほんと、このメイド速攻クビにしてやりたいんですけど。




「我はミル。この世界を作りし者であり、この世界で生きているあらゆる生物の始粗である。平伏せい。」


「いや。」


「は?」




即答してやれば、この世界の神らしいミルは自分のキャラも忘れ、間抜けな声を出した。




「わ、我はこの世界の神ぞ。」


「だからなによ。」


「だから、だからだな、そのー。」

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