第39話

「強すぎる光は、暗闇を濃くする、よくそう言うが、光を操る者が闇そのものの場合、それはどうなるのだろうな?」




火炉が振り返る。その強い視線の先には、きっと周防がいるんだろう。


底知れぬ違和感。




「ふふ、私が闇の存在などと言うのはあなた方鬼だけだ。」




周防が、見えない。



この人は本当に、人なんだろうか?それとも、鬼?




私は、ウツワである母と地獄にいるという父親から生まれた。


それなら周防は?


周防も、母の子供なのだろうか?



目覚めて、私がずっと感じていたもの。




---私はなぜ、年を取らないのだろう?




眠っていたとはいえ、私の体も90年以上を過ごしてきているはず。それなのに私の外見は眠ったあの日から少しも変わっていない。




人ならば、もう死んでいるはず。それなのに私も周防も、外見が全く変わっていない。





「もう、お互いに猫を被るのはやめにしようか?」




ねっとりと絡みつくような周防の声音は、まさに耳元で聞こえたかのようで、思わず振り返った。




かち合った真っ白な視線は私をまっすぐに見つめていて、笑う口元にゾッとした。




「猫は好みじゃないが。」



そんな私を隠すように、火炉が前に出てくれる。

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