第27話

そして、こんな時は必ず。



『それは人間で言う、喧嘩するほど仲が良いとかそういうことだろう?』




地影が人間を分かった気で言って……。




『そうじゃないって火炉は絶対本気で言ってるって。』



雷知が、反論する。




『和子様、これは本当はどういう意味なのですか?』



そして、羽水が私にこう質問するの。



それなのに、今は。




「王よ、ところでここでなにをしているんですか。」



「和子と日向ぼっこをしている。」



「はぁ、さようですか。」





火炉と桜土、そして私だけ。



みんなはいったい、どうしたんだろう?93年の間に、彼らになにか起きているかもしれない。そう思うと、気軽に聞くことなんてできない。




「羽水。」


「は。」




ためらう私をよそに、火炉があっさりと羽水を呼び出した。暗闇から現れた羽水は私を見るとなぜか顔を赤くする。



「殺されたいのか?」


「え、いやっ、久しぶりの、和子様が、なんと、言いますか、あの。」




俯いた羽水の頬に血が流れる。私を思って、涙するなんて、相変わらず、変わった鬼。



「ほう、見ない内こやつは人間に近づいたようだな。」



「そのようですね。」




火炉と桜土の無機質な視線を受け止めて、血の涙を拭う羽水は恥ずかしそうにはにかんだ。




惜しい。ここで恥ずかしがるのは、ちょっと間違い、かな?

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