第52話

久しぶりに見る両親。少し老けたように見えるのは年のせいだろうか?



「お父さんたち、元気にしてた?」


「なんか突然。気色悪いな。」




嫌そうに顔をしかめたお父さん。それが照れ隠しだって気づいたのは最近。




「最近また太ったんよ。あんたを見ると私の子やなって思うわ。」



なんて笑うお母さんとは、電話でよく話してるからかな?久しぶりって感じがしない。



「そういえば、春くんは?」



「お母さん。仕事に決まってるでしょ。」



「あ、そうよね、確かに。」




お母さんは、一言目には春さん、春さん。よほど娘より大好きだと思う。付き合いたての頃から単独で実家に通って信頼を得た春さん。お母さんなんて恋してるんじゃないかって思うほど。



「ねぇ、春さんってどんな人?」



「イケメン。」



「ちょっと、おばさんには聞いてないんだけど。」



「なんね。誰でもいいやんね。」



「私は華から聞きたいんよ!」




で、続きは?とばかりにみんなが私を見てくるから。



「……イケメン?」


「はぁ?」




春さんを表現するなら、それが一番当てはまる、ような気がした。




「なにそれ。自慢?」



「うーん、自慢というか。」





口を尖らせた翼。私の彼氏がイケメンなのが気にくわないのかもしれない。だけど、自慢というかなんというか。

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