ライバル
友達
第33話
「華はすぐ、買い物に夢中になって俺を忘れるし。」
「人聞きの悪いことを言わないでください。会社帰りにちょっとした買い物くらいしますよね?」
「……俺は、その買い物の時間すら惜しくて急いで華に会いに帰るのに?」
「う。それ、は。」
「華もそうだと思ってたのに。違った?俺は華に会いたいから基本買い物はネットか秘書に頼んでたのに。」
……ん?
「ネットか、秘書さん?」
「あ、やべ。」
私の手をゆっくりと撫でていたそれは咄嗟に口を塞ぐ。沸き上がる私の怒りを察知したのか、さりげなく春さんが距離を取った気がした。
「まさか、基本秘書さんに買い物を任せて無理なやつはネットで買ってました?」
「んん。秘書にはちゃんとお礼を言ってたし、ネットは買いようによっては安かったんだからいいじゃない、ね?」
「そういう問題じゃありません。」
「ごめんなさい。」
チラチラと顔色を伺うその表情は、全然悪いと思っていない感じ。
「私生活のことで、秘書さんを使っちゃいけないんじゃないですか?そんなのなんか、悪いです。」
「ん?別にいいんじゃない?楽しそうにしてたって。」
「逆に楽しそうだったっていうのに引っ掛かるんですけど。」
他人の家の家事の手伝いをして楽しいなんてないと思う。それも、副社長秘書として雇われた人なんだからなおさら。
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