第31話
「正直寂しかったです。春さんが甘えてくれないのが。」
「……華。」
「でも、春さんは完璧な人だから、私にもう頼らなくてもいいんだろうな、とか都合のいいように思っちゃって。」
「華。」
「でも結局それは言い訳で、私は聞くのが怖かったんだと思います。もう必要ないって春さんに言われるかもしれないとか、余計なことを思ってしまったから。」
「華!」
「なんですか!人が話してるのに!」
私にしては珍しくシリアスに話してたっていうのに。本当にちょっと怖かったんだから。私は自分に自信がない。だからその分、相手に自分が釣り合っているかとか、そういうのは一生自信持てそうにないと思う。
そんな私が恋に落ちた人はこの、なぜか満面の笑みのイケメンで。外面はおろか、内面、取り巻く境遇、すべてにおいて完璧な人。
「これは言質取ったで、いいね?」
「は?」
「いいよね?」
「はぁ。」
倒れたばかりだっていうのに、ベッドの上から謎の圧力をかけてくる春さん。この人はいつも楽しそうだな。最近が異常だっただけで、本来こんな感じに明るい人だった。
生まれもって人に囲まれる人。春さんを例えれば、まさにそんな感じの人だ。
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