第26話 フィールド
二学期も始まり、勉強もまた一段と難しくなってくる。
「だぁー!頭が悪い!」
「それはしょうがないだろ?」
「アキ!答えを教えてくれ!」
「ダメだ!ちゃんと頭使え!応用問題だ!」
ヒカルへの猛特訓が始まっている。
だが、俺もそんなに頭のいい方じゃないしな。
「おや、こんなところで何をやってるんですか?」
「あ!宇田先生!助けて下さい!」
「ダメです!宇田先生、助けないでいいですから」
と、どっちなんだと宇田先生は迷って、
「そうですか、それじゃあ」
とアキを選んでいた。
「そ、そんなぁ」
「あはは、勉強中だったみたいですから頑張って下さい」
「「「「はい」」」」
いまはファミレスで勉強中。
正解するごとにポテト一本しか食べれない!と言う可哀想だが、効果はありそうな事をしているアキとヒカルは、まだ数の多いポテトを持て余している。
「よし、一旦休憩だ」
「よっしゃ!ピザ頼もっと!」
切り替え早いな。
「そうだ。2回目のダンジョン活動もしていかないとね?」
「だな!とりあえず土日でやってくしかないだろ?」
「そうだな。んじゃ今週行こうか」
「はい!決定!!」
うん、それまではこの地獄に耐えろよ?
週末になり2回目のダンジョン活動だ。
「オラァ!」
「余裕あるな!」
「だよな!っと」
俺らはいまダンジョンの23階層にいる。
もちろんヒカルは頑張ったから一緒に来れた。
「と言うか31階層からハードだって桜先輩達がメールで言ってたけど、どう言う事だろ?」
「また一二三亭に行ったら会えるだろ?」
「まだ浅い階層だからな」
「よし!次行こう!」
と5人で話しながら先に進む。
今日の目標は30階層まで、まぁ1日で10階層だといいペースだな。
しかし20階層はウルフ系が多いな。
毛皮がドロップしていいんだが、こう多いと一気に倒したい気分だ。
「俺に任せて!」
俺は左腕をレッドドラゴンヘッドに換装する。
「『ヘルファイヤー』!!」
竜の顎になった左腕から炎の光線を発射し魔物を薙ぎ倒す。
「…化け物か!」
「やりすぎだぞ!」
「そう?」
「おっかねー」
「ま、まぁ、一掃できたのは良いけど周りも被害甚大ね」
バチバチと床や壁が溶けている。
「あぁ。『収集』っと」
溶けた部分を『収集』して『分解』する。
「お、ミスリルが少し混じってたな!」
「へ、へぇ、なんでもありかよ」
「そうね」
みんな引いているようだな。
「さぁ行こうか!」
と左腕を換装すると、
「とりあえず今のは無しで行こう!」
「分かった」
順調に階層を降りて行く。
「あ!抜けたぞ!」
ヒカルの横を通り過ぎてハイデッドウルフが抜けてくる。
「あいよ!」
俺は左腕を換装し、腕を伸ばしてハイデッドウルフの頭を握りつぶす。
「そ、その腕は?」
「ん?ワームの腕かな?ワーム・ビーストっていうでっかいワームから作ったんだ」
「アイツかよ!倒すの苦労したんだぜ?」
「あー、そうだね。それなりに苦労はするかな?でも『焼却』で焼いちゃったからな」
「え?火に弱かった?魔法は試してみたけどなぁ」
「あはは、そうだった?まぁ倒せたんだね」
と普通の腕に換装する。
「にしてもその腕はヤバいな、武器を交換してるみたいだ」
「まぁ、そんな感じかな?」
「痛みとかないの?」
「ないよ?全部俺の腕だしね!」
「なら良いか!」
と言って先に進んでいく。
30階層、ボス部屋、
「おぉ!グランビートルか!」
「げ!かったいやつやん!」
「そうか?ひっくり返せば意外と柔らかいぞ?」
左腕をオーガキングの腕に換装してグランビートルのツノを掴んでひっくり返す。
「なぁ!マジかよ!」
「それ!あっ本当だ!」
ヒカルが剣で斬り裂いていく。
「え、えぐいな」
「うぇ…」
ドロップに変わるとグランビートルの盾が出てきた。
「おぉ!盾じゃん!」
「ほい!ヤスが使いなよ」
「ありがてぇ!この盾もいいけど重いんだよ」
と聖騎士の重盾と交換する。
「軽いな!いいね!」
魔石は俺が収集しておく。
そして宝箱からはユグの大杖が出てきた。
木出てきた長い杖で真ん中に魔法石が輝いている。
「「はい!」」
アキとアカネが取り合っている。
「いいだろ!この杖スッゲェ重いんだから!」
「私なんか今必要ないからこんなキラキラした杖よりそっちが良いの!」
「杖なら俺持ってるけど?」
杖なんか必要ないからな。一応取ってあるけど。
「うそ?まじで?」
バザーのように杖を並べて行く。
「あ、あたしこれで良い!」
「俺はこれだな」
と2人ともコンパクトな杖を選んでいた。
後のものは『収集』でまた俺のコレクションになる。
「それよりその収集人ってジョブは極めればチートだな」
「何事も極めればチートだろ?」
「いや、そうなる前に心が折れる」
「まぁそうだな」
「変人?」
「な!変人って失礼だな」
「あはは!それより31階層を見て行こうか」
桜先輩に聞いた所、31階層から地獄と言っていたのだ。
「「「おぉーー」」」
青い空があり雲が流れ、草原が風で揺れている。フィールド型のダンジョンだ。
「これはやりがいあるな!」
「だね!ピクニック!」
「それはない!けどBBQなら」
「それもないわ!!」
「あはは、でも気持ちいいな!ここなら暴れられそうだ!」
今までのダンジョンは石造りの迷宮型だったからフィールド型のダンジョンの方が自由に動ける!
「ほどほどに?」
「分かってるよ!大丈夫!」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます