第23話 クリスマス


 赤と緑と装飾と、クリスマスというのはこうも街を明るくするのか。


 クリスマスに1人でプレゼントを持って歩いて行くと、

「おー!やっと来たな!」

「え!ヒカルに負けた?」

「あはは、違う違う、昼からずっと一緒だったからさ!」

「本当仲良いな。あはは、でも一番遅かったのはスズだけどね」

 とトウマが言う。

「そこまで変わらないだろ?てか早く行こうか?」

「だね!行こう!予約してあるから!」

 といつものメンバーにナルト、トウマに橋本や小日向、矢萩と北原、羽田と大人数でカラオケボックスに入る。今日はオールナイトで借りてるらしい。


「とりあえず…メリークリスマス!!」

 ヒカルが両手をあげて大声で叫ぶと、

「「「「メリークリスマス!!」」」」

 とみんな答える。

「あはは!なんだよそれ?」

「いや、一応言っとこうかなって思ってさ」

 ヒカルらしいけどな。


「んじゃ一番!俺が歌うぜ!」

 と橋本がゴツい体でアニソンを熱唱し、爆笑していると、

「スズって呼んでいいかな?かな?」

 と矢萩、北原、羽田が寄ってくるので、

「おう!俺はなんて呼べばいい?」

「やった!私はシズ!北原はミサトで羽田はサオリね!」

 と矢萩が言う。

「分かった!シズの番か?」

「お!私だね!マイク貸して!」

 と振り付けありで歌っている。

「おう!俺らも名前で呼べよ?スズでいいよな?」

 橋本が来るので、

「分かった!全員名前呼びな?でもお前がカオルはないだろ?」

「あははは、ハッシーって呼んでくれ!」

「俺はサトシな!」

 と小日向が言う。

 ハッシーにサトシか、てか呼び方なんて関係ないと思ってたけどみんな気にすんだな。

 

 パーティーセットのようなものが持って来られて、あとは持ち込みOKなとこだからと、ピザがマジックバッグから出てくる。

「いやいや持ち込み過ぎだろ?」

「いいの!今日はとことん遊ぶんだから!」

 とアカネとサオリが2人で歌い出す。


 ヤスとハッシーはやたら食っているし、アキはカメラを持って来ていて、やたらとみんなで写真を取る。


「あははは!帰って来れて良かったぜー!!」

 ヒカルが絶叫しながら言う。

 本当に帰って来れて良かった。


 0時になるとクリスマスだ。

 ようやく落ち着いてきたがまだみんなテンションは高い。

「よーし!プレゼント持って来たかぁー?」

「「「「いえーー!!」」」」

「んじゃプレゼント交換の時間だ!」

「待ってました!」

「よっしゃ!これ楽しみにしてたぞ!」

 とみんな楽しみにしてたみたいだな。


「で?どうやるんだ?」

「ジャーン!クジ作ってきたぞ!」

 アキが作って来たくじ引きで決めるらしい。

 マジックバッグから取り出して番号を割り振っていく。


「あ!ラッキー7はスズね!」

「ん?まぁいいけどな!楽しみにしとけ!」

「「「「おおーー!!」」」」

「やっぱ手作り?」

「それはお楽しみで!」

「くぅー!俺が当ててやるぜ!」

 と順にくじを引いていく。


「じゃあ、開いて!!」

「おっし!7番!!」

 引き当てたのはナルトだ。

「「「「えぇーー!」」」」

「もー一回!」

「なんだよそれ!俺のだよ!」

 と俺のプレゼントを開けるナルトは、

「おっ!バッグだ!カッケェ!」

「え!まさか?」

「まさかだよな?」

「………マジックバッグだ!!!」

 今日一でかい声でナルトが叫ぶ。


 俺が当てたのはサオリのやつらしく、ブランドのマフラーだ。

「使わせてもらうな!」

「う、うん!」

 サオリは赤くなって頷く。

「だれだよ!このデカいのはアキかアカネだろ?」

 デカすぎる袋だ。マジックバッグが無いと運べないな。

「何が当たったんだ?」

「駄菓子一万円分買うのは嫌がらせだろ!!」

「「「「あははは」」」」

 ちなみにハッシーが当てたのはアカネのだった。

「いや、嫌がらせは俺のだわ!」

「ん?ヒカル?」

 ヒカルの顔は怒りに満ちている。

「何が…これは、やり過ぎだな」

「なんでだ?俺らは高校生だからな!」

「やっぱりアキか!!しかもこんなに沢山要らないよ!」

 参考書や勉強するためのノートの詰め合わせだ。

 

 俺が当たってもげんなりするな。

「うー、くそ、ナルト取り替えてくれ」

「だめ、もう俺のもの」

 とベルトに通して早速使ってるようだ。


 他はヒカルのはアカネにマフラーと手袋、

 ヤスのはシズに一万円分のギフトカード、  

 ハッシーのはサオリにベビーGの腕時計、

 トウマのはヤスにスマートウォッチ、

 ナルトのはトウマにシルバーのペンダント、 

 シズのはミサトに夢の国のペアチケット、

 ミサトのはアキにマフラーだった。


 値段はバラバラだがそんなことは関係なく楽しければそれでいいな!

「あはは、やっぱプレゼント交換はいいねぇ!」

「それはアカネとアキの以外ならなんでもいいぞ!」

「そーだそーだ!再抽選を希望!!」

「あはは、ハッシーとヒカルは可哀想に」

「却下でーす!」

「「クソッ!」」

 面白いなぁ、ハズレが本当のハズレだからな!


 ハッシーは駄菓子をやけ食いしてるし、ヒカルに関してはもうなかったものとしてはしゃいでいる。


 ドリンクバーを注ぎに行くと、サオリとミサトが絡まれていたので、

「なにしてんの?」

「あ?誰だテメェ?」

「んー、連れだから2人とも戻ってていいよ?」

「うん!スズ頼んだわ」

「スズ君お願い」

 と2人を逃すと、

「まじ萎えた、もういいわ!」

 と去って行く男達、これが普通だよな。

 異世界だとこうはいかないからなぁ。


 注いで戻ると、ニコニコして2人が出迎えてくれた。

「ありがとう!スズ」

「スズ君大丈夫だった?」

「ん、帰って行ったから、次から注ぎに行く時は呼んでいいよ」

「OK!」

 

 オールで楽しみ、帰りは歩いてみんなで帰る。


「あはは遊んだねー!」

「腹減らねぇ?」

「存分に食っただろ?」

「駄菓子じゃねーよ!!」

「重いよぉー、アカネ?入れてくれない?」

「だめー!そのまま持って帰るの!」

「チッ!忘れて帰ろうと思ったのに!」

 と狡いことを考える勇者はダメだろ?

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