第78話
「何?」
ケータイからあたしの顔に視線を移動したレオは、不思議そうに目を瞬きさせた。
「みんなカッコイイから、そりゃ、彼女いるよね」
「エマもだーいぶ、可愛くなったよな。つかお前、可愛かったんだな」
少し掠れた声は予告無くあたしの容姿を褒め称えるので、困惑して立てた膝を内に寄せた。
「え、な、……急に、何?」
「いやいや、ほんと。最初はさ?痣とかあったし細すぎだし、ちっこいし、小学生に間違われてもおかしくなかったっしょ?」
「……褒めてないよね」
「でも最近太ったから、ようやく俺の一個下って言っても違和感なくなった。まぁ、もうちょい太って良いんじゃね」
「ねぇ、褒めてないよね!?」
「はぁ!?褒めてるじゃん、可愛いは褒め言葉じゃねーのかよ!」
「太ったとか小学生とか、褒め言葉じゃないよ!」
いっと歯を見せて怒ると、レオは気持ち良さそうに笑った。
「まぁ、そうだな。肉、付いて欲しいところに付かなかったなぁ。かわいそー」
「……レオとはもう口効かない!」
「冗談ー!胸ちっちゃくても可愛いよ、エマちゃーん」
どうあっても貶されてしまい、とうとうそっぽを向く。
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