第77話
レオはラグの上に置かれた専用のクッションの上にどかりと座ると、何時ものごとくケータイを触り始めたので、あたしはソファーに腰を落として足の親指を擦り合わせる。
毎回レオはケータイしか触ってないよね…。
そんなに楽しいのかな…。
だれとメールしてるんだろ…。
ここでふと、今更ある可能性が脳裏に過ぎるので「レオ、彼女居るの?」と訊ねれば「うん」とまるで挨拶のようにレオはサラリと事実を述べた。
………彼女、居るんだ。
彼女居るのに、ここに来てくれてるって、そういうこと……?、
「ねえ、あたしと一緒に居ていいの?」
「うん」
「彼女優先しなくていいの?」
「彼女を優先する必要あるの?」
……そこ?
レオも同じ様に目をキョトンとさせて聞くので、何だかこっちが間違っている気がしてきた。
「じゃあ……カナメは?」
「カナもいるよ〜ん」
「そうなんだ……」
二人の恋愛事情に触れて、少しだけ胸に敗北感がうまれる。確かに二人ともカッコイイから勝負を挑む時点で間違ってる気がする。
………いや、リョウも合わせると、三人か。
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