第71話
テーブルの上にはアイツらの食事のあとがそのままの状態で置いてあるので、それらを片して、洗い物を終わらせ、冷たいシャワーを浴び、キッチンの床に丸くなる。
……あたしが食べれるのは残飯ばかりなのに、この頃はそれすら外に出てしまう。
中学の時はまだ良かった。給食があったから。
給食を食べたくて登校していたのに、修学旅行代が掛かるとか、給食費がどうだとか言われ、中学もろくに通わせて貰えなかった。
お腹が空いて、空きすぎて意識が朦朧として、味見で空腹を凌いでいたらそれがバレて、吐くまで殴られた。
最低限度にしろ、と言われたので腹が立って味見をせずにわざと不味いご飯を作れば怒り狂った叔父はぐらぐらに煮立った鍋のもの全てをあたしの背中にひっかけた。
お陰で背中は大火傷。
さすがにマズいと思ったのか、アイツらが嫌いな病院に連れて行かれた。
……痣が少ない時でちょうど良かったのだろう。
そこでも女優はさすがだった。
善良な保護者は、あたしがドジを踏んだと説明した、痣も、全て勝手にコケたとかそんな事ぬかして。
…………もう、言い返す気力さえも無かった。
背中なんて手当出来ない。
手当もそこそこにされたから、床に寝るとそこが焼けついて痛かった。そこがどうなったか、知っている。
…………それが最後の痛みだったな。
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