第72話

短い就寝時間でさえも、たまに起こされていた。


あの男は昼間、あたしとするタイミングが無い時決まってここに来る。


隣で寝てる嫁としたら良いのに。


寝てるのを強引に起こして、股に舌を這わせ、荒い息遣いで腰を振って、満足そうに勝手にイッてる。



気持ち悪くてまた吐いて、地獄は毎日続いていく。



…………この世界は一体、いつまで続くのだろう。


毎日、同じ事の繰り返し。


同級生はみんな高校生。


約束してたあの制服も、結局外よりベッドの上で着た回数の方が多い。


そのうち高校も行けなくなった。


〝お遊戯〟の回数だけが増えた。


毎日、毎日毎日、毎日毎日毎日毎日。


小さな家に閉じ込められた人形のあたしは夢を見る希望すら持てない。


僅かな光も眩しすぎて、氷と角砂糖を舐めて生きて、


一体、何時になったら終わるんだろう。


何度繰り返したら、終わってくれるのだろう。



きょうも、明日も、昨日も、ずっと、



永遠にあたしは…



あたしは……。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る