第50話

「…見ててもいい?」



もう充分隣で見ていながらも一応尋ねると、レオは片目を細めてニヤリと口角を上げた。



「見学料と、服選ぶの付き合った料金100万円でございまーす」



突然、その口は冗談めいた言葉を発する。


……無一文のあたしがそんな大金、出せるわけない。



「持ってない時はどうすればいいの?」



一応真剣に返してみるとレオは腰を突き出し、「舐ーめて」と好奇の目を見遣る。


その行為を理解するには充分だった。



「…分かった」



素直に床に膝を着いて見せると、突然、レオは体勢を変えた。



「いやいや、本気にとるなよ!俺を殺す気か!?」


「冗談だったの?」


「冗談だよ!さてはお前、慣れてるな?」


「慣れてないよ」


「処女だったら、いまの、本気にとらねーよ」


「……そうかな」


「ま、どっちでも良いけど〜。リョウ、かなり遅いらしいから覚悟しといたが良いんじゃね?」


「……は?何が?」


「………慣れてるんじゃねーのかよ」



意味の分からない単語の答えは濁され、結局レオは詳しくは教えてくれなかった。

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