第39話

「決まった〜?」



そんなあたしを他所に、レオはマイペースに覗き込む。しかし、何故かレオはあたしを見て、驚いた様に頷いた。



「え、意外だ。お前可愛いじゃん。そーゆーカッコしてたらエマも年相応に見えるのな」



二人揃ってお世辞しか言わないし…。


眉を顰めていると「そーだ」と閃いたと言わんばかりにレオは指を鳴らす。



「それ着て帰れよ。あとは、もう、めんどいから試着したやつ全部買っときゃ暫く買わなくて良いんじゃね?」


「え、え?十着以上試着したよ!?」


「別にいんじゃね。お願いしまーす」


「ありがとうございまーす」



やばい。レオってマイペースどころじゃなくない?


こんな紙袋どうやって持って帰るの?バイク(レオ曰く単車)だったけど、これを手に持ったまま乗ればいいのかな?……乗れるのかな。



「あとは下着と、歯ブラシとかどうしてんの?」



まぁ、当の本人がこんな調子だから、あたしが悩んだ所で意味を持たない。きっと、どうにかなるのだろう。


買ったばかりのワンピースの上からリョウのパーカーを羽織り、マフラーをぐるぐる巻きにしてみすぼらしい顔を隠し、少しでもレオに惨めな思いをさせまいとする。



「歯ブラシは、リョウが用意してくれてる」


「ふーん、じゃあテキトーに雑貨屋行くか。エマが欲しいのはなんも無いの?」


「あたしが、欲しいの……?」



言われて、うんと頭を捻る。

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