第33話

一人ソファーに座り〝良い奴〟らしき人物を待つ。すると昼の一時を少し過ぎた頃、インターホンが鳴った。


教えてもらった通りに解錠すれば、しばらくして勢い良くリビングの扉が開いた。


そこから現れたのは、髪の毛をキラキラと褪せた色に輝かせる男だった。


金髪の男は未だインターホンの前で直立不動のあたしを見付けて、その目を見開く。



「……はぁぁ!?女ぁ!?!?」



そして驚いた様に声を上げるから、あまりのボリュームにビクリと身動ぎする。



「……女だけど」


「いや、ちょっと待って…」



戸惑う様子の男はケータイを取り出して耳に当てた。



おそらく、リョウに電話しているのだろう。


……あたし、居ちゃダメだったのかな。



「誰だよこいつ、俺、てっきり〝メグ〟だと………」



襟足が長いルーズな髪型で、服装もシンプルなリョウとは違って、アクセサリーとかも沢山付けて、見た目だけで言うと……凄くチャラそうで、少しだけ怖い。



「はぁ…?………わ、分かった……」



そのチャラそうな男はケータイを切ると、あたしをちらりと横目で見ては、あからさまにため息を落とす。


……リョウは彼のことを〝良い奴〟と言ったけど、失礼な男だと思った。

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