第17話

……何しに来たんだっけ。


……拾ってやる…とか、言ってたっけ。


のこのこ付いてきたは良いけれど……どうすれば良いのかな、これから。


死ぬつもりで居たから、生きる事なんて考えてなかったなぁ……。


生きていくには……どうしたら良いかな。


……お金?とりあえずお金が必要だよね……



働かない頭で、ぼんやりと今後の行方を考えていると、男はリビングに戻って来た。



「……なんでそんな所にいんだ」


「え?なんでって」


「ほら、飲め」


「なに?」


「……ホットミルク。身体冷えてたろ」


「……え?」


「違うのが良かった、か?」


「いや、それでいい、けど」


「……けど?」


「…ありがとう」



言われて再度ソファーの前まで来るとテーブルに置かれたマグカップに小さく口を付けた。湯気だけで身体の芯が暖まる。


仄かに甘いが、今のあたしには甘過ぎる味。



男はあたしの後ろにあるソファーに座るとタバコに火をつけた。


あの家に染み付いた臭いとは違うのは、何でだろう。


……そもそも、なんでこの男はあたしを拾ったのかな。

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