第8話

もう、良いや。


多分寝てたら勝手に死ぬ。


今日食べた物も、あの後全部吐き出した。


視界は戻ってきているけれど、きっと朝を迎える体力は残っていない。




寂れた雑居ビルの屋上で事切れるのもありだ。


時間が経って、身体が朽ち果てた頃見付かって、身元も不明のままあたしはこの世から消え去るかもしれない。


…それもありだ。


大好きな人達が居ない世界、誰からも記憶されずに居なくなっても構わない。



観念したあたしはフェンスに背中を預け、ずるずると座り込んだ。



そうして再び目を閉じる。


目を閉じる時、いつも同じ事を祈る。




このまま朝が来ませんように


このまま目が覚める事がありませんように




地獄の様な人生二周目が今日で終わりますように。

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