第6話

やっとあの鳥籠から逃げ出せた。


でも、これで終わりじゃない。


地獄はまだ続いている。



月明かりでさえ眩しくて、勝手に目が開いた。何度か手を動かすと寒さで指先の感覚すら無くなりかけている。


天を、仰ぐ。


久々に眺める星空は美し過ぎて、自然と涙が溢れた。


冬の空は近くなるって、また誰かから聞いた言葉が記憶の引き出しから顔を出す。


天上の煌めきをまぶたの裏に焼き付けて、手に力を込めた。


痛めた右腕のせいで上手く力が乗らず、起き上がるだけで随分と時間がかかった。


……今まで何度も死にかけた。


だけど結局あたしは生きている。


……悪運だけは強いな。と、今日も自分を褒めてあげる。



でも、もう終わりにする。


その為にあたしはここに来た。

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