第499話

「ふっ、私の下で可愛く鳴いていたお前が、女などで満足するわけが無いだろう?私ならお前を満足させられる。

だから、だだをこねてないでこちらへ来なさい。」



「っっ、」



手を差し出した男の不快な笑みを見た途端、抑えきれない嗚咽に顔をしかめた。



「・・・やめや。これ以上翠を苦しめるんやない!」



龍綺様が素早く立ち上がり、男の手を捻り上げた。



「クッ!離せっ!」



男が悪態をつくも、龍綺様は更に腕に力を込める。



「っっ!」



顔が苦痛に歪んだ男が痛みに息を呑んだ時、龍綺様の顔に冷酷さが浮かぶ。



「利用価値の無い、バックもいないあんたはこれからあちらのマフィアに逐われることになるやろ。

自分の息子組み敷くこと考える余裕は無いんやないか?

もう行きや、あちらに連絡してあるから自分の命の心配しいや?」


「ヒッ!アンドロ!助けっ、」



男の言葉を遮って、襖が開いた。



入って来たのは、組員に髪を引かれ泣き濡れた顔を振り乱すケイシー。

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