第495話
「えー、そちらさんの大層な財閥、ありますやろ?ベンドロヴィッチ。
最近副総帥さんが謀反起こしませんでした?」
「な、何故あなたがそれを!?」
ケイシーが声を荒げて立ち上がる。
僕は笑みを深めて彼女を見た。
「不思議な事に彼に付き従う系列会社が増えたからかなぁ?
前々から独裁的なそちらの総裁さんが気に食わんかった副総裁さんが立ち上がったやろ?」
「っっ、しかしそれはっ!」
「ふむ、系列会社が手を引き出して副総裁さんは更迭、事態がやっと収まったからこんにち来日出来た。
・・・本当に収まったんならなぁ?」
クスリと笑った僕を見て、男が眉を潜める。
「・・・どういうことだ。」
僕は視線を翠に移して微笑んだ。
「翠?君から言うたり。」
「は。」
翠は僕に頭を下げると、一歩前にでる。
「系列会社に手を引かせたのは、あなたがたが来日しやすいようにするためです。
・・・・準備が、出来ましたので。」
「・・・準備?」
男が眉を潜める。
翠は無表情なまま、言葉を紡ぐ。
「あなたを潰す準備です。」
「なに!?」
いきり立つ男にも、翠の感情は乱れることはない。
「龍綺様と新城奏様の会社は、ペンドロヴィッチに比べれば、多少大きな企業の一つに過ぎませんが、お2人は社交界ではかなりの有名人です。」
「いやいやそんな、照れるやないの。」
「・・・龍綺様。」
翠の非難の視線を受けて苦笑いが漏れた。
「・・・すまん。」
暇になったから、煙管(きせる)に火を点けて一服することにした。
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