第65話

プルルルル・・・・



『・・・はい。』



「あ、校長先生ですか?田島です。」



『は、はひ!』



ハゲ校長の青ざめて毛が抜け落ちながら返事している光景が頭に浮かんで吹き出しそうになるも、話を続ける。



「其方の普通科に在籍している香坂雅人、お借りします。学校が騒がしくなりますが、お気になさらず。」



『は、はひぃ!』






最早返事になっていないハゲ校長の返事を待たずに通話を終わらせた。



「奏がいないと、五月蝿いんだよねぇ・・・」



俺の呟きに、鉄が苦笑いで答えた。




車は林道高校前に滑り込む。



授業中なのも気にせず普通科2年の教室を目指す。



俺と鉄が通過するごとに、教室からざわめきが流れ、生徒が次々に出てくる。



「・・・メンドクサいねぇ。」



ケバい女の子のドギツい香水の匂いが鼻につく。



普通科2年の教室で立ち止まる俺の後ろにギャラリー。



鉄が扉を開け、足を踏み入れた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る