第56話
「・・・いつもこんなんなんすか?弘人さん。」
「そうだね~、いつもより甘さ控えめ?」
「・・・。」
部屋を見渡すと、赤面の氷上くんと咲さんとニヤニヤ顔の弘人が此方をガン見している。
「・・・。」
さりげなく、奏の足から下り、隣に座り直す。
奏はそんな私に薄く笑うと、タバコを取り出した。
すかさずポケットに手を延ばした氷上くんを極寒の笑顔で制した弘人が素早く火を点けた。
「奏、吸い過ぎちゃだめだよ~?」
「・・・・キモ。」
お母さんみたいなことを言い出す弘人を、心底気持ち悪そうに見た奏がそう吐き捨てたところで、外へ通じる扉が勢いよく開いた。
入ってきたのは朝ぶりのお兄ちゃんで、顔は若干強ばっている。
そこへ続いて入ってきたのは、蓮。
「兄貴、どういうことだ?」
蓮は、部屋に入って咲さんをその視界に捕らえるなり、不愉快そうに言った。
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