第55話
「そういえばゆいかちゃん、いつ蓮に乗り換えたの?」
「・・・・は?」「あ゛?」
私と奏の低音にも怯まず、弘人はニコニコしながら続ける。
「ゆいかちゃんの情報シャットアウトしてるから、そのせいかいつも一緒にいる蓮の新しい彼女ってことになってるよぉ?」
「・・・ちっ、だからもう指輪買おうって言ったじゃねえか。」
奏が横目で私を睨む。
結婚指輪はもうじき行われる予定の、結婚式の時に着けるつもり。
私は左手にあるエンゲージリングを撫でながら、奏に微笑む。
「いいじゃない。噂は、噂でしかないし?」
「ちっ、噂でも嫌なんだよ!」
そう吐き捨てる奏を見て、妙案が浮かぶ。
「じゃあ、今日は帰り、門まで手を繋いで帰ろう?そしたら皆分かるでしょ?」
奏は微笑んだ私に目を細めて答える。
「・・・しょうがないからそうしてやる。」
「ふふっ。そうね、そうしよう?」
しょうがない風を装う奏は、頬が緩んでいるのに気付いていない様。
そんな奏を見て、私の頬も緩む。すると・・・
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