第48話

「・・・大丈夫か?」



「ん。・・・奏?」



「あ?」



「・・・もっと強く。」



「フッ、ああ。」




甘える様に新城さんの胸に顔をすり寄せるゆいかさんは、子供のように身を委ねる。



そして、新城さんも、愛おしそうに、抱く力を強め、彼女を軽々と抱き上げると、いつもそう座っているかのように、一つだけある違う種類の黒ソファーに腰を下ろした。



ゆいかさんは、ソファーに深く座った新城さんを逃がさまいという風に、ぴったりと身体を張り付けている。



そんな彼女の髪を、クルクルと遊ばせながら、新城さんは穏やかな声で話し出した。

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