第38話

最近家にあまり帰れないお父さんのいない生活をしていた私たち。



それが、抗争のせいだとは全く知らない私たちは、暢気に毎日を過ごしていた。



その日は、夕食買い物をして帰るはずのお姉ちゃんが、夜中になっても帰ってこなかった。



「ねえ、やっぱりおかしいよ。雅人(まさと)、お父さんに電話しよう?」



私の2つ下の弟、雅人にそう言うと、真剣な顔で頷いた。




プルルルル・・・




何回鳴っても出ないお父さんに違和感を感じる。



お父さんは出れない時は絶対に留守電にしているから。



「どうしよう、お父さん出ない・・・」



私がそう言った時だった。



ピンポーーーン・・・



家のインターフォンがなり、私と雅人の肩が強ばる。



私の手を引いて、恐る恐る、インターフォンの受話器を取った雅人の後ろから、画面を除くと、見えた見知った顔にホッと安堵する



「・・・どうぞ。」



エントランスを通し、部屋への到着を待った。

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