第34話
「父が死んだとき、姉が攫われたという情報が入ったらしいです。
それで組長さんの制止を振り切って・・・
駆けつけた時には手遅れだったそうです。
姉の消息も分からないままで・・・」
「・・・そうですか。」
なんだかニオうな。調べる必要があるようだ。
まぁ、ゆいかさんの口から奏さんの耳に入るだろうけどな。
「私の身体を開いても、気持ちが伴わない事に腹を立てて、光樹は毎回暴力を奮ってきます。そして必ず彼女、明里さんを私の目の前で・・・」
「・・・ちっ。」
思わず舌打ちが出る。思ったよりあの男はクソ野郎みたいだ。
「・・・もういい。」
ゆいかさんの低い声に、香坂が怯えた目をする。
そんな彼女を諫めるように、ゆいかさんは前を向いて微笑んだ。
「どうやら、その人に同情の余地は無い様で、安心しました。」
そう微笑むゆいかさんの目は、本当に嬉しそうで。
無邪気に笑う彼女に、俺も香坂も、背筋が凍る。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます