第33話
「単刀直入に聞きますけど、脅されて付き合ってますよね?」
「っっ!!」
香坂の肩が強ばる。それは、無言の肯定を示していた。
「身体の痣も、彼が?」
「っっ、・・・はい。」
知らなかった事実に、眉を潜めた。
「あの明里さんは・・・」
ゆいかさんが言い辛そうに言うと、香坂は黒板を強い目で見つめながら口を開いた。
この女、こんな目も出来るんだな、と軽く面食らう。
「昔から、光樹と身体の関係があるみたいです。
光樹は、昔からお父さんに、私との婚約を迫っていて・・・
あ、お父さんは、」
「知っています。ある程度奏に聞いていますから。
お父さん、残念でしたね・・・」
ゆいかさんは悲しげに目を伏せた。
「っっ、はい。とても優しくて、強い人でした。
でも、そんなお父さんはもういない。
光樹は、行方不明の姉の捜索と、弟の身の安全を条件に、私を、無理、矢理・・・」
「・・・へぇ。」
ゆいかさんの声が一層低くなる。彼女の顔を見れば、彼女の目は漆黒に染まっていて、背筋が寒くなった。
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