第23話

Zippoを見て思いだし苦笑いをする私を、奏はたばこをくわえたまま、煙に目を細めつつ軽々と抱き上げた。



そして未だにこれからのサプライズについて、眉間に皺を寄せる私をバスルームへと運ぶ。



バスルームで漸く気が付いた私は、置かれている状況に困惑する。




奏はそんな私をそっと洗面台の上に下ろすと、洗面台の上の灰皿にたばこを押し付けた。



「奏さん。お風呂ならさっき入ったんですが。」




「・・・拒否権はねえ。」



有無を言わせない雰囲気の奏は、私のパジャマを脱がしにかかる。



「っっ、自分、で。」



「・・・無理。脱がすのがいいんだよ。黙ってろ。」



そう言った奏は、私の唇を、自身のそれで塞ぐ。



「ん・・・あ、」



奏の熱い舌が入り、私の舌を絡め取る。



熱い口づけの間も、私の服は、どんどん脱がされ、やがてなった、一糸纏わぬ姿に、羞恥で身体の底から熱が沸き上がる。



胸を腕で隠せば、片手で抑えられ、唇を放した奏の目は、私の全身を舐める。



「っっ!・・・・そ、う?」



恥ずかしさに潤む瞳で奏を見上げれば、奏の欲情を含ませたその獰猛な目が、キラリと光った気がした。



「挿入るぞ。」



そう言った奏に目を見開いた瞬間、一気に貫かれた。




「あ!や・・・あぁ!」



激しくなる律動に、鏡の方へと逃げる私の腰を、奏はぐっと引き寄せる。



その反動で、更に深く、奏自身が進入する。



「あああ!・・・・やっ!」



「はっ・・・ゆいか。」



奏が一際律動を速めて果てた瞬間、ぐったりと私に多い被さり、荒い息を吐いた。



しばらく2人で息を整えた後、私から離れて自身も服を脱ぐ奏を、胸を隠しつつ睨む。



「・・・お前。そんな目で見んな。また勃っちまう。」



「!!変態っ!」



笑う奏を置いて、先にバスルームへと走った。

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