第21話

「柊組は新城の土地の中でも大きな組でね?

統率力のある組長に、素晴らしい右腕。このツートップで組を大きくしてきた。」



隼人の口調に違和感を覚える。



「・・・してきた?」



隼人は小さく頷く。



「ある抗争でその右腕が死んでね?

組はかなり混乱したんだ。新城と柊は同盟や傘下の関係じゃない。

例えば西との関係のような・・・

【共存関係】とでも言おうか。だから、新城も静観してたんだけどね?」



「静観できない事態が起こった?」



「・・・ああ。あそこは2人息子なんだが、長男が問題だった。」



そう言う奏は眉間に皺を寄せる。



「そうなんだよね。彼の素行の悪さは有名だったんだけど、その、右腕の男がしっかり管理してたんだ。」



「・・・その人が亡くなって、タガが外れた?」



私の言葉に、隼人が小さく頷いた。



「踊る方のCLUBの【shadow】(シャドウ)を拠点に、酒に女に、中々ヤンチャしてたのが、最近薬に手を出しだしたんだ。」



「・・・ちっ。」




奏が忌々しげに舌打ちをする。



「名前は柊光樹(ひいらぎみつき)

そして彼を今まで抑えてた組長の右腕が、香坂聡(こうさかさとし)、咲の父親。」



「え!じゃあ組長の息子さんがあの子の彼氏!?」



「・・・そうなるねぇ。」



思ったより大きな話に唖然とする。

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