第55話

そして結局、黒と紺の下着でギリギリアウトじゃないものを渋々購入した。



・・・秋の趣味、放送コード突き破ってるんですけど。



今までどんな女と付き合ってきたんだか。



呆れた視線を名残惜しそうにさっきのスケスケの前にいる秋に送っていると、いつの間にか背後に壮士。



「キャバ嬢・クラブの女・挙げ句はヘルス嬢から一般人まで。範囲広く゛お付き合い゛致しましたが、全てクソ女でしてね?まあぁそれも全て弘人さんの冗談を若が真に受けただけなんですが。」



「その情報、いります?」



私の冷たい視線に壮士が苦笑する。



「本命ができたときに飽きられないように、経験も必要だと。いらぬ経験ばかりでしたが。」



「・・・余り聞いてて心地よい内容じゃありませんね?」



眉間に皺を寄せると、壮士が遠くを見て目を細めた。



「・・・女たち自身から聞くよりはマシでしょう?これまで秋様が出会ってきた女たちは全て、欲にまみれた女ばかりでした。

数人は、オヤジではなく姐さんの逆鱗に触れまして。」



いつも笑顔の壮士が顔色を青くさせる。

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