第49話

「はい。弘人さんが彼女を見て【あたり】だと。

連絡を受けた秋様が自ら出向いて確信しました。」



「弘人・・・、真島弘人?」



「・・・ええ。うちの姐さんの゛犬゛です。」



「当たり前ね。弓はいい女だもの。」



鼻を鳴らす私を、三井はバックミラー越しに目を細めて見ている。



「・・・何。」



「いえ、こちらの話です。

迎えに行くと弓様は、熱を出されていて、3日寝込みました。」



「!!大丈夫じゃないじゃない!」



助手席に手をかけて詰め寄った私に、三井は微笑む。



「大丈夫です。熱は下がりましたし、秋様が付きっきりで看病なさっていましたから。」



「・・・そう。」



どうやら元気そうな親友に、安堵のため息を漏らした。



「・・・早く、連れて行って。」


彼女が無事なら、゛悪の巣窟゛だろうがどこへでも行くわ。




私の呟きに、車の速度が上がった気がした。

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