第45話

クラスの列に並べば、クラスメイトたちの軽蔑の視線。



「っっ、」



俯いたまま時間が過ぎて、始まった朝会。



校長先生から聞かされたことは、放火。



犯人が捕まって、良かったと安堵した。



それから直ぐに、三木さんがたるくんを打った。



先生たちに連れて行かれた三木さんとたるくん。



「すげっ、修羅場。」


「そりゃそうじゃない?親友がいなくなったんだし?」


「そうそう。あの2人仲良かったもんね?」



楽しそうにそう話すクラスメイトから逃げるように、教室に戻る途中でトイレに寄った。






そして、三木さんが捜索願いを出すために、教室を後にしたあとざわめく教室。



「静かにしろっ、」



先生が怒鳴るけど、みんなの話し声は止まらない。



そんな時、一人の男子が手を挙げた。



「なんだ?村井(むらい)?」



先生の声に、村井君が笑いながら立ち上がる。



「せんせーい、市ノ瀬の家、火を点けたの安藤たちって本当ですかぁ?」



「・・・・ぇ?」



私の声は、周囲のざわめきにかき消された。



黙り込んだ先生の表情が、肯定を物語っていた。



「っっ、そんな、」



震える声を出した瞬間、私の意識は途切れた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る