第43話

そんな時、親友の安藤美代(あんどうみよ)、みぃちゃんがこんなことを言ってきた。



「市ノ瀬弓が、私の彼氏と浮気してるの。しかも、他にも沢山、男がいるって。・・・渉、遊ばれてるよ?」



「っっ、」



・・・許せなかった。



たるくんが幸せなら、しょうがないと思っていた私の考えは、間違いだったのかな?



みぃちゃんは、彼氏が大好き。



いつもラブラブな2人は私の憧れ。



そんなみぃちゃんの大切な彼氏と浮気?



・・・酷い!!



頭に来た私はたるくんに風邪を引いたから今すぐ家に来て欲しいと待ち合わせ時間に合わせて連絡をした。



そして私たちはたるくんを待っている彼女の元へ。




・・・私はこの時、知らなかったんだ。



待ち合わせ場所へ行く私の陰で口角を上げたみぃちゃんのことも。



私の知らないところで弓さんが虐めにあってたこと。



みぃちゃんの彼氏は、他の子と浮気していた、ことも。





待ち合わせ場所に行けば、困惑顔の彼女が。



私は涙を流しながら、激しい怒りを弓さんにぶつけた。


そして、それが合図のように、みぃちゃんたちから弓さんに放たれる、耳を塞ぎたくなるような酷い言葉。



そして、



「牛乳臭いんだよ!!」



みぃちゃんの言った言葉に、初めて彼女が怒りを表した。



そして、振り上げられる、彼女の手。



咄嗟のことだった。



みぃちゃんを庇って、打たれた私の頬。



弓さんが申し訳なさそうに眉を下げたところで、たるくんが来て・・・

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る