第35話

side 秋



絶望を目に宿した弓。



そんなこいつを目の前にして、俺は歓喜に胸が震えた。



もっと俺以外に絶望して欲しい。



そして俺以外見えなくなればいい。



微笑みながら彼女に近付く。


涙で濡れた弓の頬に、手を滑らせた。



「もっと絶望しろ。俺以外を信じるな。」



「・・・っっ、」



息を呑んだ弓の額に口付ける。



「・・・俺を゛愛せ゛後悔はさせない。」



俺の全てを、お前に。

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