第25話
side 秋
「・・・さて、若?」
弓が俺の寝室へ姿を消すと、壮士が俺を睨みつけてきた。
タバコをふかしてドカリとソファーへ腰掛ければ、俺に一番近い場所に壮士も腰を下ろす。
「いいですか?本気の女性なら、監禁などと安易に発言して怖がらせてはいけませんよ?」
「・・・親父は母さんにしてんじゃんか。」
親父は母さんに縛るだの、監禁だのは口癖のように言っている。
それを嬉しそうに頬を緩ませて親父の胸に収まる母さんを、俺は見てきた。
俺の発言に苦笑した壮士は、頬を指でかく。
「・・・オヤジは、特別です。
それにあの2人は想い合っているでしょう?あなた方は初対面です。」
「チッ、」
舌打ちをコボして、タバコを灰皿に押しつける。
「・・・本気の女なんだ。どう扱ったらいいのか分からねえ………、」
俺の呟きに、壮士が吹き出す。
「ブフッ、若っっ、」
「・・・チッ、」
舌打ちをした俺は、新しいタバコに火を点けた。
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