第24話

「とりあえず、お前を監禁する。」



「は?」



突然の犯罪行為の暴露に、驚きを隠せない。



「ちょ、ちょっと!監禁ってなによ!?」



慌てて彼との距離を取った私は、不安に顔を強ばらせた。



「そ「監禁なんて・・・過激な発言は慎んでいただかないと。」」



何かを言い掛けた彼の言葉を、穏やかな声が遮った。



声のした方を振り向くと、黒髪のこれまた整った顔立ちの人が。



男は私を視界に入れるなり、手に持っていた袋を差し出してニッコリ微笑んだ。



「すいませんね、弓さん?若は表現の仕方がかなり物騒なんですよ。

これ、あなたの着るものです。

若の寝室で着替えてかまいませんのでどうぞ?」



「あ、ありがとうございます。」



ぎこちなく微笑んだ私は、男から紙袋を受け取ると、無言で男を睨んでいる彼を横目に、寝室へと歩みを進めた。



寝室に入ると、早速紙袋の中身を見る。



シンプルなワンピースが一枚。



そして下着のセット。



「・・・サイズがぴったりなんですけど。」



私の元の服を見たんだろうと自分に言い聞かせて、服を着替えた。

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