第17話

side 秋



弓は3日間、40度を超える熱を出した。



俺の部屋のベッドに寝かして篠崎を定期的に来させた。



篠崎は代替わりがあり、今は息子が継いでいる。



苦しげに顔を歪める弓は、見ているだけで痛々しかった。



しかも、時折切なげに、求めるように呼ぶ名前・・・



【渉】



その男が、こいつの今の境遇の一因であることは間違いなかった。



他の男を切なげに呼ぶ弓に、【俺】を刻み込みたくて。



仕事を休んで、付きっきりで看病した。



毎日この腕に包んで眠る。



俺の温もりにすり寄るこいつが可愛くて、思わず頬が緩んだ。

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